与えられたカードをどう使うか?

前回の記事で、ポケモンの写真を使ったので、今回はそれに関連してポケモンのお話を。といっても、ゲームの話をするのではありません。キャラクターの名言について、お話ししようと思います。
今日の話に登場していただくのは、この方

 

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イッシュ地方の四天王、「ギーマ」です。

 ギーマは、2010年9月発売の「ポケットモンスターBW」(以下、ポケモンBW。もしくはBWと表記)にて初登場。当時は『ポケモン、完全新作』と謳われていたので、記憶に残っている方もいるのではないでしょうか?その2年後の世界を描いた「BW2」にも登場しました。

さて、ポケモンは、昨年2017年に20周年を迎え、今なお子どもたち初め、老若男女問わず、世界中で楽しまれているゲームであることは言うまでもありません。
その歴史上には、これまで様々なキャラクターが登場しましたが、それらのキャラクターに『名言が多い』のもポケモンファンが多い理由の一つかな と思います。

私がポケモンと初めてであったのは、「ポケットモンスターダイヤモンド・パール(DP)」からなので、これまで様々な人物と出会ってきていますが、この「ギーマ」のセリフはいまだに というより、今になって私の心に響いています。
そのセリフというのが

じんせいは あたえられた
カードでの しんけんしょうぶ

くばられた カードに
もんくを いうよりも
どう つかいこなすかが だいじなのさ  これと

さて よのなか には
わるい かちかた……
いい まけかたも あってね

そう かんたんに わりきれないのが
おもしろく なやましい ところさ

なげた コインだって
かならず オモテか ウラの
どちらかに なるわけじゃない

おちてこないことだって あるだろ  これ

このセリフには、「深いなぁ・・・。」と泣かされました。
彼はその容姿やセリフから見て取れるように、勝負(賭け事)が好きな生粋のギャンブラーです。
普通ギャンブラーというと、儲けや利益の多さにばかり目がいって、大損して失脚すると、酒に借金ヤミ金などで、性格と生活が一変して大変。その依存から抜け出すのも一苦労。こんなイメージ、持ちませんか?日本でカジノなどが禁止されているのもそうですし、そんなこんなで悪い印象を持たれる方は少なくないでしょう。私もそうです。
だから最初はそれほど響かなかったんでしょう。むしろ初めてギーマを見たときは、その見た目も相まってか、「何だコイツ?」これが第一印象でした。

でも、彼は違います。確かにギャンブラー気質でとりわけ”勝ち”に強い執念を抱いていますが、それだけではない。きちんと『勝負事の本質』を理解し、敗北にも(勝利ほどでなくても)価値を見出す。そして、勝利のために必要な鍛錬を忘れない。
人にはチャラく、だらしなく見えようとも、れっきとした勝負士なのだ 他の場面のセリフを見ても、私はそう思います。

私自身、小さい頃に将棋を覚えてから、人VS人で指す あの、勝負独特の雰囲気・ピリピリ感、先の読めない緊張感は嫌いではないから、彼の気持ちは何となく分かりますし、やはり勝負ですから、負けるのはいやで始めたばかりのころは、強者に負けては大泣きを繰り返してましたね。

ポケモンには、ロケット団(R団)などの、主人公と何度も衝突する悪の組織が登場しますが、彼は決してそのようなことをしそうにないのに、「悪」タイプの使い手です。
たぶんこれは、ギーマが勝利への執念が強く、はたからみれば少し「ひねくれている」ことの暗示だと私は解釈していますが、当の私もそのような部分があります。
人から教えてもらうと絶対に勝つ(上手くいく)ので、その通りにするのに納得がいかず、違う手を指す。将棋だけでなく、今ではだいぶマシになってきましたが日常でもこの色が強く出るときがあります。(まぁ、年を重ねるにつれ、自分のこの性格に腹が立つことも多くなりましたが)
とにかく、私とギーマとは、共通点が多いのかもしれません。

 

しかし、私が彼に惹かれた一番のポイントはそこではなく、彼が大事とする勝負のいろはを『人生のいろはと重ね合わせている』こと。
「はじめまして」の記事にも書きましたが、私の去年は大変でしたし、今もツラい。
とりわけ厄介だなぁ と思うことの一つが、「人とのつきあい方」。間や距離の取り方って、すごく難しいとひしひし感じます。そのことが頭に涌いて眠れなくなることもしばしば。
そんなときに、フッと頭を過ぎったのが先ほどの

じんせいは あたえられた
カードでの しんけんしょうぶ

くばられた カードに
もんくを いうよりも
どう つかいこなすかが だいじなのさ
だったんです。

その時は「なぜ、今ごろ昔の言葉が甦ってきたんだろう?」と不思議でしたが、しばらくして、納得。この言葉は私の頭を過(よ)ぎるときに過(よ)ぎるべくして過ぎったんだなと。
配られたカードに文句を言うよりも(自分が)どう使いこなすかが大事

なるほど・・・。言われてみれば。
人との駆け引きも間の取り方なども「勝負独特のピリピリ感」と似てるなぁ・・・。
そう思えたときは、熱いものがこみ上げてきて、泣きそうになりました。
まさか、こんな男に助けられるとは。自分がかつて散々負かしてきた、こんな男に。

人生は、何が起こるか分からない。
投げたコインだって、空高く上がったまま帰ってこないこともあるしね。

 

                      親愛なる戦友、ギーマへ。心から感謝を込めて