仮面ライダービルド 2人の科学者の対比から…

今回は、葛城巧と内海成彰。仮面ライダービルドに登場する2人の科学者について、書いていこうかなと思います。

発端は、「仮面ライダー遅報」さんの記事、『内海成彰=葛城巧説ってあり得ると思う?』の中で、「ただ研究したい内海とそれを人の役に立てたい葛城の対比」という書き込みをされている方がいたので、それを参考に私目線の考察を綴っていきたいと思います。

 内海成彰。彼は本編第1~16話の第1章において、その肩書き以外ほとんど語られることのなかった、影の薄い存在でした。第7話で氷室幻徳とともにファウストとつながっていることが明かされ、ようやく過去や人物像が明かされていくのかな と思えば、第12話で幻徳に撃たれ、転落する。という不運な幕引きをむかえましたが、『仮面ライダー作品における水落ち は生存フラグ』と言われている通り、その6話後の第18話において、幻徳の前に姿を現したのでした。

その後彼は、難波重工開発担当として、戦争の裏で暗躍を続ける、難波会長の技術面での”用心棒”となっています。

彼は最初、幻徳に撃たれる直前に「どこで道を間違えたんだろうな…。俺は、ただ、他愛のないことで笑って、人の想いに泣いて…そうやって普通に生きたかっただけなのに…。」と言い「俺のようにはなるなよ、桐生戦兎。今ならまだ引き返せる」と『同じ籠の中にいる』戦兎に、科学者として、道を誤らないように訴えていました。
その後も、同じ科学者として奮闘(葛藤)する戦兎を支え、ハザードトリガーの暴走解除のためのデータを取る実験に手を貸し、暴走して内海に手を出したら…と恐れる戦兎に「その前に、私が変身を解除させる。思う存分、ハザードトリガーを使え」と後押しし、データが取れたと喜ぶ際には、彼もまた、「リスクはあったが、最高の実験だった」と喜びを分かち合った。このように、いわば『科学者の後輩』でもある戦兎に協力的な姿勢なのかと思いきや、23話ではおそらく、戦兎の知らないところで敵対勢力である西都の兵器「ブロス」や仮面ライダーローグの開発にも携わっており、「君の作ったリモコンブロスとエンジンブロスは、カイザーシステムを見事に継承している」と称賛する首相と握手を交わしながら、ありがとうございます と不敵な笑みを浮かべていました。

このことから内海は、自分の能力・技量が発揮できるのなら、その技術の使われどころが敵味方に分かれて争う ということはあまり気にならず、それがたとえ今回のように、戦争クラスの大規模なものであっても同じ。という、内海の内に秘めたる「マッドサイエンティスト」ぶり(?)を垣間見たようなシーンでした。

それに対し、戦兎はこれまでも描かれてきたとおり、「科学を軍事利用するのは政府の思惑」、「俺がこいつらを作った。俺がいなければ、誰も傷つかずに済んだ」など、自分の犯した罪を背負い、とことん「誰かを守る・誰かのために戦う」という正義を貫いています。

この2人の科学者の”対比”は、仮面ライダーシリーズ通してのテーマである「発展し続ける科学及び技術者への警鐘」をつぶさに表しているように思います。

加熱する戦争と共にますます熱を帯びる「仮面ライダービルド」。
今作における「ライダーシステム」の根源を成す2人の”科学者”の動向に要注目です!

今回の考察の参考となった、仮面ライダー遅報さんの記事はコチラ

内海成彰=葛城巧説ってあり得ると思う?【仮面ライダービルド】 – 仮面ライダー遅報

関連する記事

 

projectf79.hateblo.jp