仮面ライダービルドと戦争

こんにちは。今朝、今日の分の記事を書く前にブログを閲覧していたら、仮面ライダービルド論議が白熱しておりましたので、私も簡単にではありますが、本編22話の代表戦のシーンなどは思うところがあるので、私なりに意見を綴らせてもらおうと思います。

 まず、東都と北都が「仮面ライダー(軍事兵器装着者)による1対1の代表戦で勝敗を決する」という点。
これは、1年間という、限られた制作・放送時間の中でのマネジメントだから仕方がない  と思いつつ、少々強引というか、スピードを上げすぎた感じ。もう少し踏み込んで言えば、『戦争』という重いテーマを扱っているのに、そのスピード感のせいで、重みが軽くなってしまった感は否めません。が、私は同時に「『戦争』というものに対してこういう解釈(決着のつけ方)もあるんだ」なるほど と思わされました。
なぜか?  それは21話で東都政府首相の氷室泰山も「この戦争は両国にとって多大なる損害を与えた。これ以上長引かせるわけにはいかない。」、「これ以上東都市民が傷つく姿は見たくない」と言っていましたが、戦争とは、多くの人間が傷つき、殺し合い、戦争が終わってもなお両国や地域内の人間関係など。その多くの関係に亀裂をもたらします。だいぶ変わってはきていますが、実際の世の中でも韓国や中国の年配層の方々は日本のことを良くは思っていらっしゃらないでしょうし、日本も、負けて原爆を落とされたアメリカに対して、ひどい、むごい、散々だ テレビなどを見ていると、やり方は違えど、同じような侵略行為を犯し、現地の人々に簡単に癒えることのない傷を負わせておきながら「被害者面」”だけ”が独り歩きしているように私は思います。少し話がそれましたが、だからこそ多くの人間を体もこころも傷つけるやり方ではなく1対1の代表戦で決着をつける。このやり方も、ある意味ではありかな と東都と北都の代表戦を見守りながら思いました。
もちろん、代表戦に選ばれた方にしてみれば、色んな重圧がかかり、負けたともなると、何を言われるか分からない。その苦しみはあると思いますが、はっきり言ってそれは勝負なんだから仕方ない と思います。今回の代表戦に限れば、勝敗は「降参・戦闘不能・変身の解除により決する」であって、変身者を”殺す”必要はないだけ、まだ実際のそれより遙かにマシです。私はここにも、「戦争の(比較的)安全な解決」のための方法として、あり と感じたわけです。

 

代表戦については、これぐらいにして。
次は、ここまでの表現で戦争を扱ってもいいのか?という論点にも少し触れておきます。
これについては、ビルドが今後、どのような展開を見せるのか?視聴者にはまだ分からないのではっきりとは言い切れませんが、私の意見を言えば「まだ戦争は終わっていないので、それについて議論するのは時期尚早なのでは?」と思います。

本編22話ではあくまで、東都、北都間の決着がついた というだけで彼らが安堵できたのも束の間。でしたよね?22話の最終カットでもうすでに西都が北都に攻め込んできており、そこから続く23話冒頭では、西都首相の御堂が東都に宣戦布告してきました。
なので、仮面ライダービルドにおいて、まだ戦争は終わっていません。その根拠に、仮面ライダービルドwikipediaを見ても、「第2章戦争篇」の後に17話~22話【北都篇】と【】で区切られており、23話~「第3章」と続くのかと思いきや、西都篇です。なので、22話の地点では、結騎了さんも書かれていた通り、

他者の命を奪いかねないハザードトリガーの危険性を強調し、自決の可能性を示唆しながらそれを行使するかもしれないドラマに焦点をスライドさせる

 

文章は、結騎了「ジゴワットレポート 『仮面ライダービルド』が戦争をテーマにしたこと、またその描写が「浅はか」という意見への雑感 より引用

 

ことができれば『戦争』の怖さや恐ろしさなどは、充分伝えられるんじゃないかなと私も思います。むしろそちらにスポットを当て、侵略戦争の構図をボカすことで、より効果的に戦争の「ブラックでヤバい」ところを見せられたのかなと。

 

最後に、戦争へ突入するまでの流れについて。
これは、描き方が巧いとしか言いようがありません。実際我々の世界での戦争がなぜ起こったのか思い返してみると、軍部が政治(内閣)の戦争は止めよう と言う意向を無視し、「満州某重大事件」などをきっかけに軍部が民衆の支持を得るようになり、その当時内閣は軍から人がいなければ組閣できないしくみだったので、軍は好戦的な首相に味方し、反対意見を唱える者は殺すか、そもそも組閣させない というのが当時の風潮でした。そこに、そのほうが自分たちにとって有益だ とラジオ・新聞など各種マスコミも手を添え、ますます戦争モードに と教えてもらった記憶があります。
まさに、私が過去記事にも書きました、「火のない所に煙は立たぬ」です。
これをビルドの世界に当てはめると、三都間の戦争に何かしらの利益を見ているのは、石動惣一や難波会長ということになります。
彼らによって戦争へと突き動かされてしまった各国の首相たちは、「自国の防衛という名目」のもと、取り返しのつかない。かといって簡単に引き返すことのできない「侵略行為」の道を突き進むことになった というわけで。なんだか、皮肉ですね。
この当たりのことは、何も私が詳しく綴らなくとも本編20話で幻徳が「守るだけじゃ戦争は終わらない。勝って国を一つにする。それが戦争を終わらせる唯一の方法だ!」と力説(力叫?)していましたが、このセリフが全てを物語っていると思います。

引用記事

www.jigowatt121.com

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